住み慣れた地域で暮らしたい高齢者等の生活を支えるサービス

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この記事は2020年2月時点の内容です


上士幌町では、高齢者や障がいのある方が住み慣れた地域で安全・安心な暮らしを続けられるよう「三愛介護サービス事業」を実施しています。この「三愛介護サービス」は、2000年からスタートしている町独自のサービス。その事業費の多くは現在、ふるさと納税の寄附金を活用して積み立てられる「生涯活躍いきがい基金」からまかなわれており、町の保健福祉課・地域包括支援センターが運営しています。

今回は、同センター長の塩澤尚弘さんにお話を伺うとともに、三愛介護サービス事業の中でもニーズの高い「給食サービス」を利用する方に感想をお聞きしました。


「給食サービス」の利用の対象となるのは、おおむね65歳以上の単身または夫婦で、心身が虚弱していたり、障害があったりして調理が困難な方です。筋力が低下してなかなか歩いて買い物に行けない、台所に長く立つのも辛くて三食作るのが大変、目が不自由で包丁を使えないといった方などが利用しています。利用者の方々からは、「目が不自由だけど、配膳がいつも同じなので、どこに何があるかわかって安心できる」「毎回同じ時間に来てくれるので助かっている」という喜びの声が寄せられています。

「給食は夕食だけですが、365日休みなく配達しています。毎日利用する方もいれば、週2、3日という方もいますが、利用者数は伸びていて、現在約80名の方が登録しています。給食の委託先が町内の食料品店でもあり、顔なじみの関係や買い物配達などを頼むこともできて喜ばれていますね」と塩澤センター長。配食だけでなく昔ながらの「声掛けや御用聞き」が、利用者の皆さんに好評のようです。

栄養を考えた夕食を 同じ時間に配達し、安否確認も

実際に「給食サービス」はどのように利用されているのでしょう?市街地に住む利用者の今野ヨシさんを訪ねました。

93歳の今野さんは、25年前に旦那様を亡くしてから一人暮らし。足腰に痛みを抱え、台所に長くは立っていられないため、毎日夕食を宅配してもらえる「給食サービス」を使うことになったそうです。

「病気で目も見えにくくなっているから、野菜を切る時に気をつけないといけません。栄養も考えた給食が毎日夕方に届くと思うと、買い物の量も減ってありがたいですね」と今野さん。「それとね。高齢になってからお友達が来ることも減って、たまに電話するくらい。でも、給食は毎日顔見知りの人が届けてくれて、御用聞きもしてくれるから安心ですよ」と、うれしそうに話してくれました。


「給食サービス」は安否確認の役割も担っており、年に数回ほど「具合が悪いようだ」と町の保健福祉課に連絡が入るといいます。救急車を呼んで対応し、大事に至らずに済んだケースもあるといい、安心・安全を確保する意味でも一人暮らしの高齢者にとっては、頼りになるサービスといえそうです。

季節感のあるメニュー 「容器を開けるのが楽しみ」
町の福祉施設で行う体操教室や通所リハビリテーションに各週1回出かけ、イスに座りながらの運動に取り組んでいるだけあって、食欲も人一倍あるという今野さん。「町外に住む娘は毎月来て、肉ジャガとかカレーとかを作ってくれるから助かっています。でも、それ以外の日では時々おかずが足りないなあって思うこともあって。だから自分でお肉を焼いたり、野菜を煮付けたり、少し足して食べることもあるんですよ」と笑います。

給食サービスでは、高齢者に特に必要だといわれる肉・魚のたんぱく質はもちろん、町内産の素材を中心に使う野菜たっぷりの煮物、炒め物を薄味で提供し、季節ごとの行事食にも配慮しているそうです。

「年をとると煮物がいいわねえ。煮物があると元気が出るわ。夏はとうもろこし、冬はカボチャ、クリスマスには小さなケーキが付くなど、季節感があるから、毎回給食の容器を開けるのが楽しみなのよ」と今野さんの笑顔がはじけます。


自立した生活を支援 事業をサポートする寄附金に感謝
「ご飯なら炊ける」「味噌汁なら作れる」という利用者さんも多いため、夕食を配達することで病気等による心身の負担を軽減しながら、自分でできることは自分で行っていただき、自立した生活を支援しています。また、一人ひとりのご希望に沿って、何ミリ単位といったきざみ食、ミキサー食にも対応しているそうです。

1食あたりの単価は、配達と安否確認を含め750円で設定しており、利用者負担は500円(住民税非課税世帯は減免により300円)で提供しています。「この『給食サービス』を含め、三愛介護サービス事業が成り立つのは、ふるさと納税の寄附金による財源があるからこそであり、本当に感謝しています」と塩澤センター長。ふるさと納税の寄附金は、町が目指す「高齢者等に住みやすいまちづくり」の実現へ向けて、欠かせない存在となっています。


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